【この記事を書いた人】中田裕二
銀行員、不動産仲介、不動産投資の経験を通して、中古マンション売買に関するリアルな情報を発信。
710万円で購入した中古マンションを、4年後に900万円で売却した実績あり。(投資物件としての運用益も含めて利益は345万円に)
その経験を不動産会社は絶対に教えない中古マンションの正しい選び方としてお伝えしています。↓
中古マンション購入にかかる諸費用に「管理費」と「修繕積立金」がありますが、どんな費用だかイマイチわからないですよね。
ですから、管理費と修繕積立金を単に「高いか?安いか?」だけで判断していませんか?
管理費や修繕積立金は、今は安くても、後になって「値上げ」されたり「一時金」を徴収されたりすることがあります。
その影響で、中古マンション購入後に生活が苦しくなる人が少なくありません。
逆に高い管理費・修繕積立金の中古マンションを選んでしまうと、将来売却する時に苦しみます。
2つの合計額が高い中古マンションは家計の負担が大きくなるので敬遠されてしまうからです。
管理費・修繕積立金について正しい知識を学び、上手く中古マンションを選ばないと、資産を買うはずが「負債」を買うことになります。
この記事では、中古マンション購入における「管理費・修繕積立金」の相場や内訳、諸費用との関係、値上げや一時金を回避する方法などをまとめてお伝えしていきます。
「管理費・修繕積立金」について学び、将来生活に苦しまないようにしましょう。
【管理費&修繕積立金とは?】費用相場や消費税との関係
中古マンションを購入する人の中には、管理費と修繕積立金を混同している人が多くいます。
この2つの費用について、個別に解説していきます。
- 管理費
- 修繕積立金
- 消費税との関係
1.管理費の相場と内訳
管理費とは、中古マンションの「共有部分」の管理にあてられる費用です。
例えば、
- 管理会社や管理人を雇う
- エレベーターやオートロックのメンテナンス・点検
- 消防設備の点検
- エントランスや廊下、階段等の掃除
- 併設しているフィットネスジムや共有施設の維持
などに使われます。
管理費の相場は中古マンションの戸数によって変わりますが、平均すると「1.1万円前後」です。
参考:国土交通省「平成25年度マンション総合調査結果」
中古マンションの戸数が少ないと、1世帯あたりの負担が大きくなり、管理費は高くなります。
また、高級タワーマンションや戸数の多いマンションになると、エントランスのインテリア、フィットネスジムやプールなどの設備が充実するため、管理費は高くなります。
あなたが検討している中古マンションの管理費が「1.5万円」を越えてくる場合は明らかに高いので、その理由をしっかり調査する必要があります。
2.修繕積立金の相場と内訳
修繕積立金とは、将来予定している中古マンションの「修復・修理」に使うお金を確保するための積立金です。
例えば、
- 壁や廊下、階段などのヒビ割れの修復
- 外壁塗装
- 屋上の防水塗装
- 配管工事
- 貯水槽の交換
などに使われます。
相場金額は、中古マンションの戸数や築年数に応じて金額が変わりますが、平均するとこちらも「1.1万円前後」です。
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参考:国土交通省「平成25年度マンション総合調査結果」
修繕積立金は、中古マンションの築年数が新しいと安く、古くなるに連れて徐々に高くなる傾向があります。
建物が古くなる程、修復が必要になってきて負担も増えてくるという事ですね。
修繕積立金は、将来的に中古マンションを修復する為のお金です。安いに越したことはないですが、安すぎる物件だと修復するお金が不足しますので、バランスが重要です。
3.管理費&修繕積立金と消費税は関係ない?
中古マンションを購入した後に毎月支払うことになる「管理費・修繕積立金」には消費税がかかりません。
ですから、今後消費税増税によって金額が上がり、家計の負担が増えることもありません。
(※そもそも、中古マンションは消費税の影響を受けにくい物件です。)
国税庁HPの「マンション管理組合の課税関係」によって取り決めされています。
マンション管理組合は、その居住者である区分所有者を構成員とする組合であり、その組合員との間で行う取引は営業に該当しません。
したがって、マンション管理組合が収受する金銭に対する消費税の課税関係は次のとおりとなります。イ 駐車場の貸付け………組合員である区分所有者に対する貸付けに係るものは不課税となりますが、組合員以外の者に対する貸付けに係るものは消費税の課税対象となります。
ロ 管理費等の収受………不課税となります。
参考:国税庁HP「マンション管理組合の課税関係」
中古マンションに居住している人は管理組合の「組合員」であり「お客さん」ではないので、不課税対象となります。
管理組合に払う「管理費・修繕積立金」は消費税の影響を受けません。
ですから、今後増税などにより家計の負担が増えることは心配しなくても大丈夫です。
管理費&修繕積立金を滞納した中古マンションは避けるべき?
検討している中古マンションの売主が「管理費・修繕積立金」を滞納しているなら、購入の決断は慎重に行いましょう。
「管理費・修繕積立金」の滞納がある場合、その支払い義務を買主のあなたがそのまま引き継ぐことになるからです。
金額を確認せず購入し、大きな損害を被ることもゼロではありません。
通常であれば、物件情報にも書いてありますし、不動産担当者が中古マンションの内覧時や契約前の重要事項説明時に話してくれますので、知らずに買うことは少ないです。
しかし、100%信用すると痛い目に合うこともあります。
事前に「管理に係る重要事項調査報告書」を不動産会社から取得し、自分でも確認しましょう。
もし、滞納があるけど中古マンションは気に入っている場合は、値引き交渉をして滞納している分安くならないか聞いてみましょう。
値引きできれば「滞納なし」で購入したのと変わらないですよね。
滞納はないに越したことはないですが、値引きできたり、その分サービスが付くようなことがあれば購入を検討しても大丈夫なケースもあります。
まずは「管理費・修繕積立金」の滞納があるかないかを確認することを忘れないようにしましょう。
中古マンションの管理費&修繕積立金は安い方と高い方どちらが良い?
中古マンションの管理費や修繕積立金が高いと、購入するべきか躊躇してしまいますよね。
買い物するならできる限り安く押さえたいと考えるのが人間の心理です。
ただ、管理費や修繕積立金を「安いか?高いか?」だけで決断するのは危険です。
安い場合でも高い場合でも、それぞれ一長一短あるからです。
- 管理費の高い・安いの違い
- 修繕積立金が安いと危険
- 修繕積立金が高いのは悪くない?
1.管理費が高い中古マンションは要注意
中古マンションの管理費が高いと、将来的に「売却」で苦労することになります。
管理費が高い中古マンションは単純に家計への負担が大きくなり、敬遠されるからです。
私は不動産投資の一環で毎日物件情報を見ていますが、いつまでも売れ残っているのはほとんど「管理費が高い中古マンション」です。
管理費が高すぎる物件だけは買っちゃダメだなとつくづく思います。
しかし、逆に極端に安い中古マンションも考えものです。
管理費が安いと家計の負担が軽くて助かるのですが、管理人を雇えなかったり、清掃費が足りなく汚れたりで、物件そのものが「スラム化」することがあります。
そうなると、売却に出しても見た目が悪いので逆に売れません。
中古マンションの管理費は高すぎても安すぎても良くないです。バランスが大切ですね。
2.修繕積立金がない(安い)中古マンションは危険!
中古マンションの修繕積立金がない(安い)と、将来的に「値上げ or 一時金徴収」されたり、中古マンションが「ボロボロのまま放置」されたりなど良いことがありません。
修繕積立金が安いと、まとまったお金を貯めることができず、本来行うべき「修復・修理」が資金不足によってできなくなるからです。
戸建てで例えると、「風呂場が壊れた」「トイレが流れなくなった」という状況でも貯金がなくて修理できず放置されるようなものです。
これでは快適に住み続ける事はできないですよね。
また、中古マンションがボロボロのままだと買い手が付かないので、手放すこともできなくなります。
修繕積立金が普通よりも安い場合は、しっかりした修繕計画に基づいての金額なのか確認しておきましょう。
3.修繕積立金が高い中古マンションは必ずしも悪くない
検討している中古マンションの修繕積立金が高いと、毎月の収支を圧迫するので、購入するのを躊躇してしまいますよね。
しかし、修繕積立金が高いからと言って、一概に悪い中古マンションとは言えません。
もし建物が損害を被ったとしても、今まで積み立ててきたお金で修理を行うので、きれいで安全なマンションによみがえります。
もちろん、修繕積立金の値上げや一時徴収などの可能性はほぼありません。
このように、安心して住み続けるという面ではメリットがあります。
ただし、中古マンションを3〜5年後といった短期での売却を決めている場合、それまでに修理・修復をする予定がないと払った修繕積立金はムダになってしまいます。
短期で売却する予定なら、金額は安い方が良いでしょう。
今後のあなたが中古マンションを所有する期間によって、修繕積立金は「高い方が良いか?安い方が良いか?」の判断が変わってくるので、ご自身の計画に合わせて物件を選ぶ必要があります。
修繕積立金の値上げや一時金徴収の回避方法を公開!
中古マンションを購入する際、修繕積立金が今後値上げされたり、一時金を徴収されたりするかどうかを予め知ることができます。
管理会社が作成する「管理に係る重要事項調査報告書(以下、調査報告書)」を確認すると、今後の修繕計画や修繕積立金の値上げ、一時金徴収の予定がわかるのです。
確認するポイントを一つずつご紹介していきます。
- 修繕一時金
- 修繕積立金総額
- 修繕積立金変更の予定
- 大規模修繕計画の有無
1.「修繕一時金」に金額が載っているか?
調査報告書の「修繕一時金」の欄に金額が載っている場合は、物件の修理・修復を行う際に記載された金額を支払う事になります。
金額は「何十万単位」の金額になる事が多いです。
問答無用で徴収されるので、その分中古マンションの値引き交渉をして将来の負担を減らしましょう。
中古マンションの値引き交渉の方法について他の記事でご紹介しているので、参考にしてみてください。
2.「修繕積立金残高」が十分に貯まっているか?
調査報告書の「修繕積立金の総額(残高)」が不十分な場合は、今後,修繕積立金の値上げもしくは一時金が徴収される可能性が高いです。
事前に必ず確認しましょう。
修繕積立金総額(残高)の目安は1戸あたり100万円が目安ですが、なかなかそこまで貯まっている中古マンションは少ないです。
今後の修繕計画も合わせて確認し、計画に対して今の積立金で足りるのかを不動産担当者もしくは管理組合に確認しましょう。
3.「修繕積立金の変更予定」はあるか?
調査報告書の「修繕積立金の変更予定」の欄がどういう記載になっているかを確認しましょう。
修繕積立金の欄の「変更予定有」や「検討中」に記載がある場合は要注意です。
いくら値上げされるのか事前に確認し、「今後払っていけるか?生活が苦しくならないか?」をしっかり検討しましょう。値引き交渉の材料にするのも良いです。
※管理費についても同様に確認できます。
4.「大規模修繕計画」が立てられているか?
調査報告書の「大規模修繕計画関係」の長期修繕計画欄が「計画有」もしくは「検討中」になっているかを確認しましょう。
長期修繕計画欄が「計画無」であれば要注意です。
計画がないということは、今徴収している「修繕積立金」に根拠がないということです。
フタを開けてみたら、現時点で貯まっている残高だけでは足りなくて修繕積立金の値上げや一時金徴収、最悪の場合は何もできずに「放置」されたりします。
放置されたら「スラム化」は避けられません。
「無し」の場合は管理組合に聞き取りし、内容次第では購入を見送りましょう。
【まとめ】中古マンションの管理費&修繕積立金はバランスが重要!
後になって「修繕積立金・管理費」の値上げや一時金の徴収に悩まされるのは、これらの費用に対する知識と事前調査が足りないからです。
中古マンションを購入する前にそれらの費用が値上げされる計画を知っていれば、価格交渉の材料にしたり、買うのを辞めたりできますよね。
管理費・修繕積立金の値上げに悩まされたくなかったら、
- 管理費・修繕積立金の「相場」を知る
- 検討中の物件の「修繕計画」を調べる
- 「管理に係る重要事項調査報告書」を事前に確認する
ことを、中古マンション購入前に必ず行いましょう。
傾向としては、費用節約のために管理費と修繕積立金が安い中古マンションを探しがちです。
私でもそれらのランニングコストが安い物件を見つけると「おっ」となります。笑
しかし、費用の節約を「管理費と修繕積立金」で考えるべきではありません。
ランニングコストが極端に安い物件を買ってしまうと、後になって苦労するパターンが多いので、やはりバランスの良い物件を購入しておいた方がいいです。
中古マンション購入において、出ていくお金を極力減らしたいなら、まずは狙っている物件の「資産価値」を見極めて値引き交渉をすることを考えましょう。
「管理費と修繕積立金」を意識しても「数万円」の節約にしかならないですが、物件の適正価格を見極めて値引き交渉をすれば、「数百万円」の節約になり効果が大きいからです。
逆に、見極めができないと「数百万円」の損をすることだってあり得ます。
「管理費と修繕積立金」にこだわるよりも先に、購入する中古マンションの「資産価値(=適正価格)」を見極めることを意識したいです。
狙っている中古マンションやその周辺物件の「適正価格=将来売るときも損しない購入価格」については、「住まいサーフィン」というマンション情報サイトを使えば無料で知ることができます。
また、住まいサーフィンを使うメリットは他にもあり、
- ユーザーからのマンション情報や評価
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でも世の中には、その不安が的中して、家を買った後に「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔する人がたくさんいます。
後悔する人に共通しているのは、「良い物件の選び方がわからず、不動産会社の言いなりになってしまう」こと。
だから私は、優良物件の正しい選び方を学ぶことに全精力を注ぎました。
その結果、2015年に「710万円」の中古マンションを購入。↓
そして、この物件を2019年に「900万円」で売却できました。↓
単純計算で「190万円」の売却益を得ることができました。
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